PAOFITS WG は、公開天文台ネットワーク(PAONET)のユーザ有志によって結成された、FITS画像を教育に活用するためのワーキンググループ(WG)です。現在は、PAONET ユーザ以外の方にも WG メンバーに加わって戴いて活動をしています。
FITS とは、天文の研究観測において広く用いられている画像のフォーマットです。
圧縮処理されている jpeg などの画像と異なり、生の研究観測画像は、等級や色など天体のさまざまな物理量を正確に求めることが可能です。
報道機関等に発表された天体画像を単に鑑賞するのではなく、研究に用いられている本格的な観測画像を主体的に解析処理する作業は、天文学に関心のある生徒たちにとって非常に新鮮で刺激的な体験となり、教育的にも非常に効果的と考えられます。
学校教育や社会教育等の現場でそのような実習を行うのにあたって最適なデータやその配布方法、処理方法などを検討する、それがこのWGの目的です。
国立天文台から共同研究(平成14,15,17-21,24年度)および研究会・ワークショップ(平成15-20年度)の1つとしてサポートをいただき、月1回程度三鷹で会合を開くとともに、メーリングリストを活用して活動を進めています。
国立天文台の天文データセンターには、世界最先端の望遠鏡であるハッブル宇宙望遠鏡やすばる望遠鏡のデータ、さらに、広い視野が特長の東京大学木曽観測所のシュミット望遠鏡のデータなどがアーカイブされています。
これらのデータやPAONETに参加している公開天文台の観測データを活用して、天体の明るさを調べて星の進化を探る,天体の位置を測定して運動の様子を調べる、といった授業に役立つ素材の開発をしていきたいと考えています。